大切にしていること

大切にしていること

オフィスマンモスのプログラムの多くは
「自分のやりたいことをやる」ということを活動の軸にしています。

自分のやりたいことをやる。
最初はどの子もたいてい「ストレス発散!」的に遊ぶのですが、ひとしきりやってひと息つくと今度はもうすこし静かに、あるいは創造的な「やりたいこと」に進んでいきます。
わーっと遊び散らしていたのが一転、ぐっと集中する遊びをしたり、発見したことを誰かにぽっと話したり。その子にとってちょうどいいことがちゃんと起こっていくのが自由な活動のおもしろさだと思います。

以前参加してくれた、ある子どもの話です。その子は普段都会に暮らしている、とてもおしとやかな女の子だったのですがキャンプへ来てひととおり遊んだあと山に向かって突然「わーっ!」と叫びました。どうしたのかと思ってびっくりしていたら「こんな思いっきり叫んだの生まれて初めて!」とすっきりした笑顔を浮かべて言いました。

うまく言えませんが、「やりたいこと」をやることはその子の中で偏っていたバランスを整えたり育ち残していた部分を取り返したり体由来の好奇心とか生命力とでもいうものをもりもりと湧かせる力があるように思います。

「やりたいことをやる」というのは楽しい修行のようなものです。とっつきやすいけれどとても奥が深いのです。

心や体をつかって遊びながらたくさん挑戦し、成功し、失敗し時間をかけて深い欲求や自分の進みたい方向を探りあて、磨いていくことは自由な生活体験の大切なエッセンスであり、ここでの体験は今後の人生のあらゆる場面で何気なく、そして力強く自分を支えてくれるでしょう。

 

プロフィール

 

オフィスマンモス代表
 鈴木啓太

1989年生まれ。保育士・小学校・中学校の教員免許所持。
現行の公教育以外の教育の形に興味を持ち、大学卒業後、徳島県自然スクールTOECにて2年間研修生として保育・教育現場で働く。現在は認可外保育園・フリースクールにちにちのはらで働きながらオフィスマンモスにて里山でのキャンプやエコツアーなどを企画・運営している。なお、オフィスマンモスは2016年から活動。

あいさつ

 

「うちの子は家でいつもゲームばかりしていて…」「毎日動画ばっかり見ていて…」という声を親御さんから本当によく聞きます。
さまざまなゲーム会社やユーチューバーの方々が、よりおもしろく、飽きられないようにあの手この手を打った努力の結晶は多くの子どもを虜にしているようで、いやはや大人の本気というのは凄まじいなと感じさせられます。

立派な遊具がある公園ではみんなその遊具でしか遊ばなくなってしまいます。同じように、なにか強烈におもしろいものがあるために、そのほかの体験が薄くなったり、自分で遊びをつくりだすことが出来なくなってしまったりするのはもったいないなあと思います。

たくさんのことに興味を持っていて、立派な体も頭も手も足もある子どもたち。
やわらかい粘土がやがて乾いてしまうように、子どもたちのわくわくする心やしなやかな体がやがて重くかたくなってしまうその前に、さまざまなものにふれ、人と関わり、遊びあったり笑いあったりすることがいずれ自分の人生をつくりだすための大きな力となってくれることでしょう。

私たち大人は子どもたちが自分自身や人や世界とつながるための手助けとなる存在になれればと思います。もしよろしければぜひご一緒しましょう。

鈴木啓太