飯能休日自然がっこうで、子どもたちは「やりたいこと」をやります。
最初はたいていどの子も「ストレス発散!」的に遊ぶのですが、ひとしきりやってひと息つくと今度はより純度が高くより創造的な「やりたいこと」に進んでいきます。
わーっと遊び散らしていたのが一転、ぐっと、静かに集中する遊びをしたり、発見したことを誰かにぽっと話したり。
その子にとってちょうどいいことがちゃんと起こっていくのがこの活動のおもしろさだと思います。
以前参加してくれた、ある子どもの話です。その子は普段都会に暮らしているとてもおしとやかな女の子だったのですがキャンプへ来てひととおり遊んだあと山に向かって突然「わーっ!」と叫びました。どうしたのかと思ってびっくりしていたら「こんな思いっきり叫んだの生まれて初めて!」とすっきりした笑顔を浮かべて言いました。
うまく言えませんが、「やりたいこと」をやることはその子の中で偏っていたバランスを整えたり育ち残していた部分を取り返したり体由来の好奇心とか生命力とでもいうものをもりもりと湧かせる力があるように思います。
「やりたいことをやる」というのは楽しい修行のようなものです。とっつきやすいけれどとても奥が深いのです。
心や体をつかって遊びながらたくさん挑戦し、成功し、失敗し時間をかけて深い欲求や自分の進みたい方向を探りあて、磨いていくことは自由な生活体験の大切なエッセンスであり、ここでの体験は今後の人生のあらゆる場面で何気なく、そして力強く自分を支えてくれるでしょう。
鈴木啓太
プロフィール
1989年生まれ。保育士・小学校・中学校の教員免許所持。
大学卒業後、徳島県自然スクールTOECにて2年間研修生として保育・教育現場で働く。現在は認可外保育園・フリースクールにちにちのはらで働きながらオフィスマンモスにて里山でのキャンプやエコツアーなどを企画・運営している。なお、オフィスマンモスは2016年から活動。